日中GPSの使い分け ・・・どちらもそれぞれに
9月
25日
より
▽「カレログ」とリース機器 日中GPSの使い分け
世界第2の経済大国になってしまった中国の鼻息は荒い。日本も欧州も米国も経済の不振や財政悪化に見舞われているのに、中国は世界最大の外貨準備を保有し、高い成長率を維持し、経済発展は著しい。
9月14日、大連で開かれた世界経済フォーラム夏季会議で講演した温家宝首相は余裕しゃくしゃくだった。ギリシャの財政破綻の危機に揺さぶられている欧州に対しては「投資を拡大したい」と、ホワイトナイトを気取って欧州各国の国債を購入してあげてもいいんだよ的発言までしてみせた。
この講演は、日本ではあまり報道されなかったけれど、欧州のメディアはけっこう大きく報じていた。もちろん中国の投資を歓迎しているわけではなくて警戒する空気の方が強い。温首相は、投資する代わりに中国を一人前の市場経済国家として扱え、とも要求したからである。具体的にいえば、西側諸国が規制しているハイテク製品の中国への輸出を緩和ないし解除しろ、と求めたのである。
当たり前のようだけれど、世界第2の経済大国をかさにきて温首相が市場経済大国にふさわしい扱いをしろ、と叫んでも、中国ではきちんとした市場経済のルールに基づいて物事が進んでいるわけではないような気がする。
中国でリース事業を手がける日本の関係者に話を聞いたら、やっぱり中国での商売は一筋縄ではいかないらしい。
この関係者は土木建設用大型重機などを中国の取引先にリースしているわけだが、月々のリース料金がすなおに入金されるわけではない。不払い、踏み倒し、夜逃げのリスクは大きい。リース機器を持ち逃げされたり、転売されたりすることだってある。これに対抗するために日本側ではリース対象の機材に、衛星で位置を確認するためのGPS装置を取り付けたりしているのだそうだ。
もし支払いが滞ったら、その場で機器を押さえなければならない。そうするためには機器のありかを普段からチェックしておかなければならない、というわけだ。それでも広い中国のことだから場所を確認しただけではらちが空かないこともある。そんな時は遠隔操作で機器を動かなくする仕掛けも組み込んでいるのだという。支払いが止まれば遠隔操作でスイッチ・オフ。機材は動かせなくなる。支払いを保証するのは信用ではなく、ハイテク装置というわけである。高額な重機をリースするにはそれぐらいの注意と用意が必要らしい。
中国でGPSがそんなふうに使われていることは驚きである。
最近の日本の場合、GPSが問題になっているのは「カレログ」だ。スマートフォンのアプリで、付き合っている相手の携帯端末にこれをダウンロードして起動すると、目指す相手が今現在どこにいて、場合によっては何をしているかも分かってしまうらしい。究極のストーカー用ツールともいわれている。
GPSの使い方ひとつとってみても中国とわが国とでは大きな違いがあるものだ。
それにしても、カレログを仕掛けられて、付き合いがうまく行かなくなったところで、仕掛けた相手に遠隔操作で「スイッチ・オフ」なんてされたりした日には、かなわんだろうなあ。
(2011年9月21日 今井 克)
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日中でのGPSの使い方の違いが、何とも凄いものです。
経済成長著しい信用できない国:多少のことだし目を瞑れ、金になるぞ!
経済不成長著しい信用できない国:多少のことだし健康に影響はない、金にならん!
貨幣経済の崩壊よりは、二極化というか、今よりも極々少数の国ではなくて個とその
他になりそうな気がします。