クォータ制@女性役員比率の割り当て
8月
18日
2011/8/18付 日経より
欧州で上場企業と公的機関に一定以上の女性役員登用を義務づける制度の導入が加速してきた。ベルギー、オランダで法律が成立し、欧州連合(EU)はEU全域を対象にした法案の検討に入った。役員の3~4割を女性に割り当てる内容。一方、日本経済新聞の調べは日本の国内主要企業の女性役員比率は1%に届かず、格差が一段と広がることになる。
欧州の動きは現地の企業や政府機関などに女性役員の起用を迫るもの。日本企業のオフィスに直接圧力がかかることは少ないとの見方が強いが、女性登用で欧米に大きく立ち遅れる日本の姿が鮮明になる。
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クォータ制導入が広がってるってやつですね。
欧米と一括りにするのはナンセンスですよね。
まず、米は、管理職としては女性比率は40%以上でしょうが、役員となると10%程度だったと思いますし、ウーマンリブ全盛時であっても、結局は女性役員は増えませんでした。
欧州ですと、ノルウェー(40%超)・スウェーデン・フィンランドは突出しています。人口が少ないがために労働力確保のために女性に対する施策を活用していたことや、ノルウェーなんかは、女性役員比率によっては上場廃止を食らう法律まであります。EU全体平均で12%あたりで、殆どは10%ライン前後です。
ので、比率だけを一律に推し進めるには、大きなリスクが伴います。
それぞれの国で背景が違いますので。
純粋な実力主義であれば、そもそも性別は判断基準にはありません。そんな場合に、結果的に女性役員比率が低い場合は・・・
次に、企業内での女性社員数の母集団の大きさという問題はどうでしょうか。
仮に、女性社員が少ない企業の場合は・・・
勿論、いくら優秀であっても性差別によって昇進できない弊害があるのであれば、それは改善することは当然の流れでしょう。
大切なのは、本人の意思、能力、適性とそれを受け入れる環境を整えられるかでしょう。しかし、これが一番ネックであり、育児休業施策の実効的な進捗が遅いのが象徴的です。会社としては、それを見込んだ利潤の確保、人財の確保ができるかどうかですが・・・シビアです。多少の助成金では解決しません。
私のクライアントさんでは、社会福祉法人、学校法人、NPOといった福祉・公共的な業種には女性役員・理事がいらっしゃるかなと。
風土の醸成も含め、これから対応せざるを得なくなる課題になっていくのでしょう。
勿論、施策としては従来からありますが、進捗は遅いですからね。
因みに、社会保険労務士の世界ですと、私が合格した年のパーティーでは、男女ほぼ同数だったと記憶してますし、現に周囲を見ても女性社労士の活躍は顕著です。
トーマツが440人リストラを敢行という記事もありましたが、報酬減が最たる要因でしょう。監査を依頼する企業数と単価が下がっていると思われますが、そういった余裕の無い状況で、単に率だけ増やすクォーター制は馴染まないでしょうね。
実力のある女性役員をこれからの世の中は必要としているという見方でいきましょう!女性社員の育成、管理職登用、役員昇進が可能な組織には、大きなチャンスがやってくる、そういう組織を未来の世界は望んでいる!
クォーター制という義務ではなく、成長の大きな可能性・要因と捉えて変革できる企業を世界は求めているということで。
そして、それに対して企業は、どういう一手を打てるのか?
小回りのきく中小企業にこそチャンスかも知れません。一度企業で育成された女性が社会復帰する際の受け皿として活用するのがボトムアップとしては現実的でしょうか。
女性の自己実現に対する意識や価値観の多様化等々、一律には無理ですが、門戸を開けておかねばいけないということでしょうかね。
簡単ではない内容なので、今夜はここまで!
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