フリードマンを中心としたシカゴ学派が自らの経済理論である新自由主義の正しさを証明するために、ピノチェト将軍によるチリのクーデター、ポーランドの「連帯」による政権交代、天安門事件、アパルトヘイト後の南アフリカ、ソ連崩壊、イラン侵攻とのアメリカ資本主義導入は、全て彼らが計画し、実行した。
と聞いたらどう思いますか。
私は陰謀論だと思いました。
私は資本主義社会の日本で育ちました。国鉄民営化、郵政民営化を経て、民間でできることは民間でという考え方が普通と思ってきました。国家、公務員、官僚的なモノは非効率的であるという前提ももっていると思います。
しかし最近では、資本主義に疑問を呈する考え方も台頭してきていますね。
新自由主義のいう”トリクルダウン”は、現実にはないのかなあ、と感じざるを得ません。格差は二次関数的に広がっているように思います。
下巻で、アメリカの、官民一体となったコーポラティズム国家の章になると見え方が変わってきました。
政権の中枢にいる人物が企業経営と政治家を行き来し、利益誘導のために惨事を起こしているというストーリーが説得力を持ってきます。
イラク侵攻後のポール・ブレマーによる極端な民営化による、多国籍企業の誘導。ディック・チェイニーがCEOを務めていたハリバートンの事業に関する疑惑などは、戦争の目的そのものを疑うに十分な事実だと感じます。
正直、まだちょっと陰謀論だと思っていますが、前提を揺さぶられました。
どんな話も聞いてみるもんだなという話です。
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後藤良介
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