「自分」がわからなかった新採時代。
最初の配属先で、路頭に迷い、「自分探し」に奔走した。
2番目の配属先は、
電話に出ただけで、名乗っただけで、
同業者から非常勤だと間違われる、
それほどまでに男社会の職場だった。
伝家の宝刀引っ提げて、
北風と太陽を使い分けて、
とある目的達成のために働く、
ちょっと特殊な仕事だった。
特殊な仕事だったし、
すごく男社会だったけど、
だけど案外、ワークライフバランスは
保ちやすい職場だった。
今となれば、「天国」にさえ思えてしまう、
そんな職場だった。
3番目の配属先は、
私がずっと興味を持っていた職場だった。
やりたいと思っていた仕事だった。
だけど、いざやってみたら、
思ってたのと違うことがたくさんあった。
失恋の痛手も癒えていない頃で、
仕事でも無力感が強くて、上司に怒鳴られまくって、
自己肯定感はズタボロだった。
だけど。
その配属先で3年間、
「晴天」を夢見て、「晴天前夜」を何度も聴いて、
何度も泣きながら、けれどがむしゃらに働いているうちに、
「評価」されるようになった。
私の実績を認められるようになった。
後輩もできて、彼女はまるで、
ほんの少し昔の私みたいで。
懸命に頑張る姿が、
自分は力不足だと落ち込みながらも、
懸命に頑張る姿が、
少し前の自分を見ているみたいで。
だからこそ、丁寧に教えていたのに、
ちょっとずつ成長していく姿が嬉しかったのに。
頼もしかったのに。
寿退社を告げられて、
まるで裏切られた気分になって。
相手には何の非もない、
私の勝手な醜い感情。
そのやり場がなくて、
「泥中に咲く」をよく聴いていた。
ヨルシカをよく聴いていた。
やり場のない思いを抱えながらも、
ここを出れば、きっと充実した生活を送れるはずだと、
私も「幸せな家庭を持つルート」に踏み出せるはずだと、
そう思っていた。
だから今はここで頑張ろうと、
踏ん張ろうと、そうやって頑張って、
私は「評価」を手に入れた。「自信」を手に入れた。
やがて私は、惜しまれながらも異動した。
「これからはプライベートを充実させてください」と、
そんな上司の言葉を餞に、今の部署に異動した。
だけど。
プライベートの充実なんて、
夢のまた夢だった。
私にとって、「幸せな家庭を持つルート」が
いかに遠いかを知った。
今の配属先に来たことで、
余計に遠ざかった気がして、辛くて辛くて何度も泣いた。
なんで私はここに来たんだろうと、
絶望に絶望を重ねて、心身に異常をきたしかけた。
何度も絶望を繰り返し、
そして悟った。
私にはこの生き方しかないんだと。
何だかんで、結婚は博打だと、出産も博打だと、
そんな風に思ってしまうのは私自身だ。
それよりはまだ、
仕事の方が、真っ当な評価を得られると、
そんな風に思っている私がいる。
今の部署は一刻も早く抜け出したいけど、
抜け出したからって、楽園が待っているわけじゃない。
組織の末端で疲弊するよりは、
中枢に行きたい。
それは私にとって、
決して楽な道ではない。
だけど、「楽だと思っていた道」が、
楽じゃないことを知った。
「憧れていた道」が、
果てしなく遠いことを知った。
手が届かないくらい遠くて、
無理に手を伸ばせば、凄まじい反動を食らうことを知った。
だから、「夢」見ることを辞めた。
「現実の道」を歩くことにした。
私にとって、実現性の高い道。
他の道に比べればまだ、可能性のある道。
そんな私が今聴いているのが、
この曲だ。
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