かつて、私が目指していた某大学の某教授の言葉。
催眠療法は、切れ味のいいナイフだ。一歩使い方を間違うと……云々かんぬん。
オープンキャンパス時にもらった冊子に書いてあった言葉で、
私は見事その大学を落っこちて、滑り止めの大学に進学したので、詳細は覚えていない。
でも、「切れ味のいいナイフ」って言葉はものすごくよく覚えてる。
催眠療法に限らず、暗示とか、自己啓発とか、そういう類い。
私は、必ずしも悪いものだとは思ってない。
だって、スポーツ選手やアーティストが本番前に行うイメージトレーニング。
上がり症の人が、本番前に手のひらに「人」って書いて飲み込むおまじない。
あれだって、いわば暗示の一種でしょう?
適切に使えば、効果があるんだよ。
幸せな人生の手助けになるんだよ。
だけど。
まるで、切れ味のいいナイフのように。
一歩、使い方を間違ってしまったら。
人を殺してしまうことだってある。
どうして、そんなことに利用するんだろう。どうして?
夢中になってしまった人には、私の声なんて届かなくて、
下手したら私が悪者で、下手したら引きずられる。下手したら、周りにどんどん広がっていく。
奪われた者の悲しみが、わかりますか?
とりあえず、距離を置いて見守るしかない者の気持ちが、わかりますか?
絶対に、許せない。マルチなんて、大嫌い。
2020.1.8 追記
使い方云々というよりも、「暗示」だけに頼ってしまうのがいけないんだと思う。
「魔法の言葉」を呟くだけで、「秘密の道具」を手に入れただけで、幸せになれると勘違いしてしまうことが、問題なんだと思う。