妖が見えてしまうが故に、
人とうまく付き合うことができなかった、夏目レイコ。
彼女はもはや、
人と付き合うことそのものを諦めているようにも見える。
一人でいることが多く、寂しさや退屈をしのぐために、
数多の妖怪に勝負を仕掛け、
「友人帳」に名前を書かせ、主従の契約を結んだ。
けれど、彼女は本当に孤独だったのだろうか。
斑という存在がいて。ヒノエという存在がいて。
他にも、彼女を慕う妖怪がいる。
斑なんて、友人帳に名前があるわけではないし。
ヒノエにとっては、契約の存在よりも、
レイコの存在の方が大きいように思う。
そして、いまいち経緯はよくわからないけれど、
愛する男性に出会い、
なぜ未婚なのかもわからないけれど、娘を産んだ。
そんな彼女は、本当に孤独だったのだろうか。
私が卒論を書く際に引用させていただいた、
心理学者のWeissは、
「孤独の経験は一人でいることによって引き起こされるのではなく、個人が必要とする何らかの特殊な関係が満たされていないことによって引き起こされる」
と述べている。
つまり、自分の周りに人がいるかどうかが大切なんじゃない。
たとえ一人でも、その状況に満足できていれば孤独は感じない。
逆に、自分の周りにたくさんの人がいたとしても、
その状態に満足できていなければ孤独を感じる。
小森まなみさんの曲「My Dear…」でも、
「人が多いほど孤独深いね」ってフレーズがあるように、
人が多いことで余計に孤独を感じるときだってある。
果たして本当に、夏目レイコは孤独だったんだろうか?
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