オクスナードは昨日も書きましたが、メキシコ人移民がとても多い町です。町を歩けばカウボーイハットにブーツ姿の男性とすれ違い、夜のダウンタウンには賑やかなマリアッチ音楽が響いています。
この町に住んでいた頃、メキシコ人の親友・イザベルが時折Mira Marというメキシカンナイトクラブに連れて行ってくれました。週末のMira Marはいつも満員。生演奏の爆音の中で踊る、一日の肉体労働を終えた人々の土臭い熱気が怪しく充満しています。店内では英語も通じず、アメリカ人客もおらず。
ここで初めて学んだラテン式のダンスルールは、「一人では踊らない」ことでした。女性は必ず男性から「踊りませんか」と差し出される手を待たなければなりません。OKなら手を握ってダンスフロアに出ていき、ペアで踊ります。
大抵、夜が浅いうちは私は誘われません。さすがにあのカウボーイハットの男性とぴちぴちドレスを着た肉感的な女性たち――どちらも土臭い魅力を湛えた人々が汗を散らす中で、ぺらんとした無味無臭のアジア人は「どなた?」な存在です。あの子、踊れるの?という心配も分かります。よって、隣の美人イザベルに呼び出しがかかりまくっている間も、辛抱強く待ちます(寂)。
そのうち、1人の勇気あるカウボーイハットが手を差し伸べてくれ、1回踊った後はそれを見ていた他の男性が物珍しさから誘ってくれ、ついにはのっぺりアジア人の私も席を温める暇もないほどフロアに出っぱなしになります。
もちろん彼らの、まるでメキシコの大地に自然に生まれたようなステップを私が上手にできるわけもありませんが、ペアで踊るので逃げ隠れできません。そんな真剣勝負?で一晩中踊れば、時計が翌日を指す頃には、場違いな日本人も立派なメキシカンダンサーになっている…はずです(自己申告)。
イザベルの話:https://jp.bloguru.com/RuCommunications/363263/2019-12-17
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私とリチャードさんの対談もぜひお読みください。
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