そしてまた目を前に向ければ、山影の向こうにまだ見ぬ景色が静かに息づいているように思えるのです。 人生は思い出を棚に並べながら、その裏でそっと新しい章を書き続けているのだろう——そんな気がします。 私はその物語の続きを、ここからもう少しだけ読み進めてみたい。 山の風の音に耳を澄ませながら、そう静かに思うのです。