そしてまた目を前に向ければ、山影の向こうにまだ見ぬ景色が静かに息づいているように思えるのです。 人生は思い出を棚に並べながら、その裏でそっと新しい章を書き続けているのだろう——そんな気がします。 私はその物語の続きを、ここからもう少しだけ読み進めてみたい。 山の風の音に耳を澄ませながら、そう静かに思うのです。
今回のアコーディオンも、そんな葛藤から生まれた別れだった。 誰かの手で再び音を奏でるなら、それはきっと幸せな旅立ちだろう。 手元から去ったけれど、思い出は消えない。 人生とは、手放すことと残すことを繰り返す作業なのかもしれない。 正解はない。 ただ、そのときどきの心の声に耳を澄ませて選んでいけばいいのだろう。