四十年ぶりの教習所 大型二輪に跨っている 車体の大きさに乗っているのではなく こいつに乗らされている 中型二輪の時には あれだけ自信があった一本橋 そこからほぼ落ちたことはなかった 今となってはバランスを崩し ガクンという衝撃に気持ちが落ち込んだ 幅三十センチ、長さ十五メートル 十秒以上で通過しなければならない 衰えをカバーするにはどうするか 悩んだ末にやはり基本に戻る それしかないことに気づかされる 上身体の力を抜く 近くばかり見ず遠くを見る しっかりと二輪のタンクを挟む 進もうとするアクセル バランスを取るブレーキにクラッチ 落ちそうになったらハンドル切る それは苦手を克服する楽しみ 細く長い道のりへの恐怖心や不満に 乗せられるのではなく 自分がどう乗るかがこの一本橋にあり これからの人生に大切な学びがあったと この課題コースは気づかせてくれた