ちゅら海
3月
10日
砂浜に成りかけのサンゴは
手足がまだ生えていて
これからどれだけの時間を掛けて
体を散りばめてゆくのだろう
寄せては返す波を枕に
ピチピチと笑う鳥のさえずり
クルークルーと歌う風の囁きを
聴いているのだろう
気持ちいいでしょ
これ以上の癒しはないでしょ
なくなることも
南の島では幸せになってしまう
ひとりになった寂しさは
少しずつ少しずつ削れながら
誰かが何処かで微笑む
思い出に重なってゆくのだろう
粉々になったさよならは
あなたを美しさで抱きしめて
此処にいることの
素晴らしいさを伝えるのだろう
気持ちいいでしょ
これ以上の癒しはないでしょ
なくなることも
南の島では幸せになってしまう