避暑地
8月
20日
日陰で水を喉に流し込めば
開放感を与えてきた夏は
危険なだけの夏を照らしている
道路工事の作業員
人はこんなに強いものなのか
ヘルメットに厚手の作業着を纏い
焼けた顔の逞しい眼差し
振動で身を揺らされている
私がどれだけ
ひ弱な肉体と精神なのか
思い知らされる存在価値の怪しさ
私には抗う気力を失えば
句点がこちらに転がってくる
なんとか飛び上がり回避しながら
まだ終われない言葉を求める
冷房の効いた場所へと心は急ぎ
生きた心地を得れば
熱くなった身体とタブレットは
平熱を取り戻し始める
いつもの具現される私の作業は
言葉を垂らし
危険な夏を遮断する