液晶画面にある 一日のニュースは すべて読んでしまう 追われる密集から 逃れたい空洞存在を 車窓の外に求めている 今夜も雨がない 此処に居る身を 誰もいない 湿る森に置き 暗い惻隠が欲しい 癒しのルーティン 音楽のアプリからは ひとつしか表示されない 検索履歴の「雨の音」 ちぃぱっちぃぱっ ちぃぱっちぃ ちぃぱっちぃちぃ ガラスに映る 役立たずの 言葉が象る顔を 目を閉じ遠ざける 其処へ向かう 恥も悔いも消え去り 孤独の微笑みが くり抜いた筒の器 ちぃぱっちぃぱっ ちぃぱっちぃ ちぃぱっちぃちぃ 濡れ鼠になる