部屋の中 春の風が嘆いている グオオ グオオ グオオー きっと俺のいる 部屋なんかには 来たくなかったのだ そして風は死ぬ また 次の風がやって来る 窓の隙間を使い 声を出すのさ グオオ グオオ グオオー 俺みたいに 籠った奴になりたくない そう嘆いているのだ そして風は死ぬ もう来ないのかと 待っていた そう 春の風は止まない グオオ グオオ グオオー 風は心の底から 運の悪さを 低い声で窓も揺らす そして風は死ぬ 空を吹いていれば いいものを たまたま 俺のいるところに グオオ グオオ グオオー 嘆く春の風は 死骸になり 俺の胸を積もりだした やがてその重さに 俺は耐えきれず マスクを忘れ飛び出した