寒かった不安は 汗として背を流れました 曇ったガラスの向こうに 風だけが生きています 触ることのできない 知っている感覚に少し苛立って ため息なんて吐き出しています この揺れはどこへ行くのでしょう 本人がわかっていないのだから 笑い話しにもなりません 右耳のイヤホンが抜けてしまい 周りの人たちの潰された胸から出る うなり声が漏れて聞こえてきます 同じ落胆は落ちて足もとを重たくし 振動に弱い身体になります 私は誰でどこへ行くのでしょう 何も解りたくない気持ちは ドアの向こうで響く靴音に怯え 立ち止まってしまうだろう 見たいモノがないというのは とても辛いことであります