冬の出勤
12月
11日
指先、足先、首筋から冷気が握り始め
頸、腰へと私の弱い所へ進む
今朝の励ましは何処に落ちているだろう
昨夜、小説家が愛国精神を持ち政治活動の末に
自決する映画を観ていた
空白な疑問と後味の悪さを引きずり
車窓から薄明るくなり始めた光と陰を追う
子どもの頃、戦争の話を聞かされた翌朝のように
強制された重い苦味を覚える
エスカレーターで下り滑って行く
銀世界のスキー場のゲレンデには若者がポーズ
宣伝ポスターに気を紛らせながら思う
私は国を愛したことがあるだろうか