女優の樹木希林さんが人生の幕をおろされた。とっても残念です。個性的で魅力のある存在には、圧倒させられましたね。そして、たくさんの名言を発していました。表現をしようとする者にとって教わることは多いです。女優として演じるために望ましいあり方を示した言葉もあります。こちらの言葉は俳優ではなく、詩人に置き換えても説得があります。詩で表現することは、自分の燃やした魂で感動させることではなく読者の魂を鎮めることにある、と。私も詩に感動はいらないと思っていたので、とても共感してしまいます。感動するような詩はすぐに消えてしまい、心根には響いていないのではないか、そう思っていました。岡本太郎の「一体これはなんなんだ!」のような言葉にも類似しているかもしれません。ただ、この境地にたどり着くには、生涯を掛けて詩を書かなくては行けません。私には無理だと思っていますが、もしかしたらといった心は忘れずに精進していきたいものです。ユーモアもある樹木希林さん、憧れ、理想ですね。 樹木希林さんのご冥福をお祈りいたします。 Zingaro(騎馬オペラ) 虚飾もなく 観客に媚びず 威張らず もの凄いサーカスを あたりまえの感じで演じてしまう そこに動く俳優たちが馬たちが 何かを観せるのではなく その燃やした炎で 見物人の魂を鎮めてしまう 美によって神に到達する道が もっとも望ましい ばるたばすはその道を 心こめてあるきつづけている 樹木希林 (ジンガロのパンフレットに寄せた言葉