用を足す夢の誘い
10月
21日
私は浮き輪に乗り寝ていたようだ
水平線の上には街が見えて
人気のない淀みがあった
両手で漕ぎはじめ
危険な海から上がらなければ
海は昔から怖いイメージがある
地に足が着かない処は苦手だ
もちろん空も怖い
自分が飛行機に乗れば堕ちる
必ず、間違いなくそうなって……
街を彷徨った
木造の古びた学校があって
私はトイレを借りることにした
驚くことにひとがいた
金髪の男たちが用をすませていた
しかし、床は汚く其処には辿り着かない
履き物を探すために
長い廊下を歩いてみたが
上履きもスリッパも見当たらない
あきらめ学校を出た
そして、少し時間の記憶が消えていた
何故か私は高層ビルに囲まれた湖で
また浮き輪にのり浮かぶ
ああ、もうここで
用を足すことにしよう
誰かに迷惑を掛ける訳でない
さあ、スキッとして
夢の続きを見なくては
えっ、夢の……
此処でしてはいけない
現実の海に浮かぶことになって……