息子が車の中で言う 俺はこの雲が雨を持ち堪えている 空の感じが好きだな おっと、その感覚は 私にはなかったなあ、と 雨降りのしんみりは好きだが この晴れと雨の間にある 中途な空模様を好む感覚に驚いた はたしてどうして その曇天がよいのだろうか 心中を訊いてみると ギリギリで 頑張っている感じがいいんだよ と、答える息子 反抗期を過ぎて小さい頃の 正直さがかえってきた そして育んだ感受性に 寄り道などなかったのだと 曇天の空を眺めていた