僕はかたつむり
6月
14日
僕はずっと詩を綴っていた
外の世界は眩しそうで
四十年も躊躇していたのさ
自分だけの世界で
十分と思っていたけれど
やっぱり僕の中にある
飛び出したい言葉が背中を押した
勇気を出して頭を出したら
雨が降っていて
誰かの言葉が響いていた
でん でん むしむし
かたつむり
お前のことだよ
僕は初めて自分を知った
なんでだろう
涙が雨に流れてゆくと
ひとりでない言葉の角がでて
でん でん むしむし
かたつむり
それは僕のことさ
歩き始めたばかりの
雨は優しくひとひと降って
なんだかこの先
素晴らしい言葉に触れる気がして
ズルズルと僕なりの足どりで
さあ 進もうか