遺書という防波堤
5月
16日
ワープロ打ちか
布団の中で悩んでいる
やはり最期の証となる
重要なものになるだろう
それを下手な手書きでは
あっちから笑い声が聞こえそうだ
ワープロ?
ん〜
素っ気ない
誰でも同じような字になり
しかも文書力がないから
あっちから笑い声が聞こえそうだ
ああ
俺はどうして笑われたくないのだろう
そんなに自分が大事なのだろうか
やはり自分は自分ということか
それが生きていると嫌になるんだ
詰まる自分が自分に
さあ
手書きにしろワープロにしろ
文章にしなくては……
遺書
俺は遺書を手書きにするか
ワープロにするか悩んでいる
これ以上この状態が続くことに
耐えられない
だから俺は死ぬのが面倒になった
なので今晩はこれでもう寝よう
おやすみ