帰宅の迂回路
5月
9日
自由が紅く染まれば
どんなくだらない一日も
許せる気がして見つめている
行き先のない夜は
何も持たずに彷徨うがよい
偶然のエピソードなんて要らない
ただ誰にも邪魔されず
歩くことさえ出来ればそれで
曖昧な時間が壊してくれるさ
巻き込まれたい
冷たい風を感じながら
言葉は煩わしくて
虚しい夜空の向こうの向こう
気づかない振りして
一番星はポケットの中にしまい
呼んでいるのは揺れる葉の鈴
なるべく空白に寄り添うスマイル
こぼれ落ちるクレイジー
静かに見惚れている吸収の月