窓の外
4月
27日
柔らかに落ちゆく陽が射し
ひとり僕は窓の外を眺めている
いつもの校庭
若葉も紅く染められ
春だというのに暮れてゆく音楽が
聴こえてくる不思議に
僕は此処にいることに溶けて
お疲れ様でした
運動部の声が家路へ誘う
カバンを背負い教室を出て
階段を降りる足音は
冷たく静かに癒してくれる
校門には君がいて
胸の前で小さく手を振り微笑む
僕は右手を軽くあげ
上手に微笑む顔を探している
何していたの遅かったね
少し怒った感じだけど
嬉しそうな表情で君は僕の顔を覗く
ごめんね
なんだか窓の外を眺めていたら……
よくわからないけど帰りましょう
君の細く温かい指が絡まり
僕と君も窓の外の景色になってゆく