まだ日の昇らぬ黒い川が 通勤電車から揺れている 寒かろうに足を突っ込む 想像をしている私からは 温もりを奪う景色の強さ 世間より手前にある猶予 その時間に淀みながらも 忘れまいと己を見ている 感じる冷たさは試された 選ばれし人間なのだから まだそんな優越に溺れて 暫くは姑息に流されよう 己以外への思い微塵とて 細くも生きているこの身 捨てれる訳もなく揺れて 今朝も日が昇る己の上に (選ばれし人間/人間として生まれたという意)