猫さえ白い息を出して 穏やかな街をなお白くしている 白夜のように明るい夜 踏まれて沈む雪は か弱い少女のように笑う 世界を変える白 心に降り積もる感覚 柔らかいモノがそっと沁みてきて 何処までも歩きたい気持ちは 足を止めたりはしない 綺麗に飢えていたのだろうか 日常の黒に煤けてしまい 重たい責務の山に 押し潰されぬよう疲れ果て 冷やし癒される頭 何もかも輝きに染めながら 街灯からのびる光が我に刺されば 心の中まで白く静かにお淑やかに 踊り出すのだから この白の世界を歩かずにはいられない