なんでもない朝なのに
11月
22日
自動販売機から声を掛けられ
缶コーヒーを握り
いってきます、と歩き出す
冷たい風が頬を撫でると
今日の新鮮が少し気分を乗せる
身を流れに任せたゆっくりとした変化
襟を立てれば遠くの景色が見えてくる
なんでもない朝なのに
過去の時間たちがふと感じさせる
ああ、生きているんだな
辛かったこと
悲しかったこと
嬉しかったこと
幸せだっとこと
僕という袋に埋められたものたち
その少し重たくなった中身を抱えながら
いつものように駅へ向かう
ああ、生きているんだな
確かに今、生きているんだな