乗り込んだ電車には 様々な広告がぶら下がり 餌に食いつくのを 待っているかのように 〇〇部門の売り上げ一位 若返ります〇〇 超一流の〇〇力 〇〇の新発想 〇〇の改善 詳しくは〇〇サイトへ 生きていくために 一生懸命な人びとを乗せ 宣伝電車は走る やっと座れたものなら 揺られる心地よさに 身知らぬひとの肩を借り 押し返されては 「すみません」と謝りまた眠る 再び目を覚ませば ここは何処だろうと慌てて 時間に追われ 疲れを引きずり 今日という日は終わりを告げる 夜に明かりを零しながら 家路を辿る電車 明日へ繋げと走り続けて行く