壮大性理論
9月
12日
物理学の博士さんが熱弁
宇宙の物質は
水素やヘリウムの元素は5%に満たず
宇宙の殆どは
暗黒エネルギーと暗黒物質で構成され
我々のような人間の原子は
0. 02%の存在に入るらしい
はあ
なんとか書き留めたよ
難しいこと言うから
ノートするの大変だったよ
液晶画面で熱弁する物理学の博士さん
あんなに重そうな飛行機が
飛んでしまうのも理解できないのに
暗黒とかいう真空のことを言われても
ちっとも解らない
五桁の数字さえも右から左の
俺の短期記憶じゃ
暗黒云々は理解不能だ
残念だけど仕方ない
でも解ることだってあるんだ
宇宙は想像できないくらいデカくて
その中で生物として生きている俺たち
これは奇跡よりも遥かに確率が低い
宝クジで六億が何度も当たっても
そんなのは比じゃないくらい
俺たちはラッキーな感じになってる
まあ
生まれてすみませんと
残念がるひともいるけど
ひとそれぞれ
そんな奴がいるから
面白いって感じもするよ人間
いやいや
俺たちが生きているのではなく
これは蜘蛛の夢だと
言ったひともいたけど
それは違うと思うよ
だって
ほっぺをつねったら痛いから
俺たちは蜘蛛の演出した役者じゃないはず
でしょ?
そんなことより
すごい話をその物理学の博士さんが言っていたよ
もしタイムマシンで過去に戻ると
本当の自分と
スラッシュのついた自分が存在するんだって
だから後者の自分は自分ではないらしいよ
じゃあ
それって誰って感じだけど
なんとなく寂しい存在になってしまうね
まあ
タイムマシンがあったら
スラッシュ自分がいっぱいになって
ほんとうの自分を探そうとしたら
「ワォーリーを探せ」より
難易度が高くなるよ
やっかいな話だ
でもそれには
タイムマシンがいっぱいないとね
疑問がひとつ
タイムマシンでもとの
自分のところに戻ったら
スラッシュ自分は
スラッシュスラッシュ自分になってしまい
帰る場所がなくなっちゃう
やっぱり寂しい感じになっちゃうねかな
なんだか物理学って面白いみたいだ
それに
博士さんってユーモアがないとダメなんだね
だって面白い話ができないと
誰も聞いてくれないだろうし
ほんとうのことってユーモアの中にあるんだよ
きっと
面白くないと説得力ないしね
物理学の博士さん
今回の話
いい感じだったよ