駅へ近づくと 女のわめき声が聞こえてくる 昨夜の不協和音を引きずったかのように 痛みからくるものではなく駄々を捏ね イタイ、イタイと救急隊員を困らせ 月曜日の朝から現実のプレリュードが流れる エスカレーターで降りホームに立つ まだ、微かに女の声が聞こえ 誰もが何かを感じながらも 自分の視線を確かめながら今日一日の エネルギー消費の無駄遣いを避ける なるべく、静かな朝を求め なるべく、何もないように なるべく、感情を揺れずに 腰に貼った湿布薬がジワジワと 痛みを抑えているのか 痛みを強調しているのか カラダは軽い拒絶を示しながらも 向かう場所を避けたりはしない なるべく、痛みを遠ざけて なるべく、何もないように なるべく、イタイと言わず 一週間というサイクルを見通しながら 心は此処にあらずのプログラムを発動し 月曜日に順応した知恵で おはようを遠ざけるように流れ混む