着ぐるみ公園
9月
10日
とても大人達に似ているね
黒基調の衣をまとい
行ったり来たり
休み返上で働いている
お疲れさんですね
日曜日の公園
解放された
時間と固まった表情
僕らはここで
いろんな衣をまとう
サルのように
手を叩き笑い
カラスのように
ブランコで宙を舞い
カァ カァ 鳴く
ジャングルジムのてっぺんから
楽しいですよ
お天道様へ
ハトになって手紙の配達
ガオッ ガオッと
ライオン
子どもたちを追いかける
ケラケラ笑いながら
逃げてゆくバンビ
それを見ている風神さま
本気になってはいけませんよ
大きなうちわをひとふりして
大人だけに
くるりんと弾みをつけて
風を起こすのさ
アリの時に浴びる
向かい風とは
まったくべつもので
心地よいのさ
ああ
ひとやすみ
ひとやすみ
ベンチに座ってしまうと
ナマケモノのように
だらりんこ
コトリがチュンチュン
袖を引っぱって
遊ぼう
遊ぼう
さえずっている
パオーンーと
短い鼻に腕をあてがって
ゾウは答えるのさ
楽しい時間は
チーターよりはやく
薄暗くなると
コウモリになる
パタパタ
パタパタ
夜の不気味な演出で
子どもたちを
巣に促すのさ
家路をなぞる
カメの親子
まだ終わらないで日曜日
ゆっくり
ゆっくり
歩くのさ
ただいま
おかえり
あら 三人とも
カバみたいに
泥だらけね
先にお風呂
入ってちょうだいね
はーい
はーい
はい