夏の仲間は何処にもいない 蚊はふらふらと飛んでいる そのカラダでは刺すこともできず 寄航先もわからず羽は静かにもがく 生まれた孤独すら知らない 私に哀れを感じさせる刹那の意味は いったい何であろうか ああ せめてこのまま手を出さぬよう そこにある自由を見守って 夏の残り香にふらつき 私の悲しみの中を蚊が飛んでいる