面白く美味しい作品でした。 「ホール」 大学生のゆかとこいちゃんはどちらも母との二人家族。 父が出て行ってから買えなくなったホールケーキを求めて、ふたりは<失われたホールケーキの会>を結成、切れていないケーキを楽しんでいる。 ある時、離れて暮らす父親から、「大事な話がある」と連絡があり……。 「ショートケーキ。」 俺が働くケーキ屋では、残りがちなホールケーキを予約なしに買ってくれるお客さんを天使と呼んでいる。 天使の中には常連もいて、女子大生と思しきその二人組が俺は気になっている。 どうやら彼女たちは、丸いホールのケーキにこだわっているようなのだ。 「追いイチゴ」 ケーキ屋で働く私には、嬉しいことがあったときにひとりで行う「趣味」がある。ケーキを冒涜しているようで人には言えないのだが……。 「ままならない」 ママになった瞬間からさまざまなことがままならなくなった。大好きなショートケーキをもう一度ひとりでゆっくりと味わいたい。その願望を実現すべく、あつこは二人のママ友と互助会を結成する。 「騎士と狩人」 央介の口癖は「嫁に行きてえ」、何事にも受け身で生きてきた28歳の会社員だ。 ある時、領収書の不備を指摘されたのをきっかけに、会社の経理担当の女性のことが気になり始める。 弟の学費を捻出するために倹約弁当を続ける彼女だが、どうやら本当はショートケーキが食べたそうなのだ。 20代の頃、会社帰りに買ったふわふわで柔らかい100円のショートケーキを思い出しました。 いちごとメロンとオレンジがあって、 スポンジがふわとろで、ふわふわな生クリームにフルーツの香りが沁みて、 美味しいショートケーキでした。 既にお店はないので、幻のショートケーキです。 今、口の中がショートケーキの味になっています(笑)