声を張り上げる自分に気づいた瞬間、そこに「老い」の現実が立ち上がる――そんな情景が浮かびます。 愛する人との会話が、かつてのようには自然に流れなくなっている切なさ。 日常の中の些細な変化が、後になって心に「さびしさ」として残る。 この短歌は、その「言葉の届きにくさ=心の距離」までも感じさせる深い一首です。