ソローは人生そのものに向き合うため、「自然」そのもののようにすごし、実在を見つめようとした。森に自分で小屋を建て、作物を育て、手を動かす労働のみで暮らした。
ソローは、最低限必要なものだけで暮らす生活の実践から、人間の労苦は人間自身が生み出しているという考えに至った。人は不必要なものを買うために必死で働き、必死で働くので必死で食べなければならない。しかしその労力は内面の探求にこそ向けるべきではないか、とソローは問いかける。
■ミニマリストとの違いは、自分の手を使った労働だけで生活を成り立たせるということ。ミニマリストは自給自足を求めていないよね。
なぜこのような生活を始めたのか。ソローは、人生そのものに向かい合いたかったから、死ぬときになって自分がじつは生きていなかったということを発見したくはなかったから、と述べている。