■参考文献
昭和30年頃まで漆器の塗料といえばすべて天然の漆でした。
昭和33年に起きた長崎国旗事件をうけ中国との貿易が一時中止となり、原料の漆の輸入が途絶えたことをうけ、漆に変わる塗料の開発が必要となりました。漆に近い合成塗料として、ウレタン塗料やカシュー塗料などが開発されたのはその頃でした。作業性の良さなど漆には無い合成塗料のよさもありますが、その強さや風合いなどにおいて、漆に優る塗料は今もって開発されていません。 現在、漆は中国から潤沢に供給され、その用途に応じて天然漆と合成塗料が使い分けされています。