時の狭間に取り残された記憶■やはり古いというだけでなく、「滅びゆく哀愁」があるものです。その佇まいは、「大正ロマン」や「昭和レトロ」とは違う人間の営みの終焉を感じさせます
6月
21日


今まさに崩れゆく数軒の廃屋。
すぐ隣には新築の住宅や公民館。
時代が交錯するこの場所には、誰かが生きた痕跡と、
時に置き去りにされた「記憶の空白」が広がっていました。
「古い」という言葉だけでは語りきれない、静かな終焉の物語が、
そこには佇んでいました。

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滅びの美学――アートではないが、美しい。
「廃墟はアートだ」と声高に語るつもりはありません。
でも、崩れかけた瓦やひび割れた壁に、どこか抗えない美しさを感じてしまうのも事実です。
それは整えられたレトロデザインとは異なる、「無意識の造形」。
人間の手を離れたあとの姿にこそ、自然と時間が描いた真の風景があるのかもしれません。