昨日、永井荷風が描いたニューヨークの中華街について紹介しましたが、そこで春をひさぐアメリカ人娼婦の廃人ぶりは胸に迫ってくるものがありました――「私だって(度の差こそあれ)こうなり得る」と身につまされたのです。 『あめりか物語』は小説なので脚色があることを忘れてはいけませんが、花街に並々な...
先日、永井荷風が描いた1903年頃のシアトル・日本人町がエグいという話を書きましたが、同『あめりか物語』内で描かれたニューヨーク・中華街の貧民窟ぶりは日本人町の比ではありません。 ”紐育の中の貧民窟という貧民窟、汚辱の土地という土地は対外歩き廻ったが、ああ! この恐るべき欲望を満すに...