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無明残日抄

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コミュニケーション(その2−2) 「大きな数、小さな数」

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 日本語の一万集まるごとの単位ですが、億、兆、京(けい)、に続き 垓(がい)、穣(じょう)、溝(こう),澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)、恒河沙(こうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由他(なゆた)、不可思議(ふかしぎ)、無量大数(むりょうたいすう)となります。
 一万倍ごとの十七段階の単位で「一無量大数」とは10の68乗、1のあとに0が68個続いた数となります。今度は一より小さな数を見てみましょう。通貨の単位は今は一円が最小ですが、以前は百分の一円は一銭(せん)を使っていました。一世の方達は一ドルを一円、一セントを一銭(仙)とよんでいましたが都合がよかったのでしょう。通貨でない数量の場合はちょっと複雑になりますが、比率や割合にかぎっては十分の一が割(わり)、百分の一は(ぶ)、千分の一は厘(りん)となります。イチローの打率は3割3 分3厘とか歳末セール5割引きなどと使われています。その他の数量の単位では十分の一が分(ぶ)になり、百分の一が厘(りん)になります。通貨の場合も含めて、これより下は千分の一が毛(もう)、一万分の一が糸(し)となり、壱円拾参銭五毛弐糸(いちえん・じゅうさんせん・ごもう・にし)などと使われていたわけです。死語になりましたが,「一分一厘も無駄にするな」「勝負は五分と五分」というような言葉もよくきかれました。さらに小さくなって十万分の一は忽(こつ)、一千万分の一は微(ぴ)、一億分の一は繊(せん)、これ以下も前の単位の十分の一ごとに沙(しゃ)、塵(じん)、挨(あい)、渺(びょう)、漠(ばく)、模糊(もこ)、逡巡(しゅんじゅん)、須臾(しゅゆ)、瞬息(しゅんそく)、弾指(だんし)、刹那(せつな)、六徳(りっとく)、虚空(こくう)、清浄(せいじょう)と続きます。「清浄」は百垓分の一、10のマイナス21乗、小数点のあとに0が20ならんで1です。これらの単位は量や時間を表現する言葉の中で使われていることに気付くと興味深いと思います。ホコリは小さいから塵埃なのか? 小さすぎてはっきりしない事から漠とし、模糊としているのでしょうか。刹那とは指を弾く間の十倍も早い?「清浄」とは細菌ほどの小さなものも存在しない等々です。
 次回は英米語の数の単位についてみてみます。
#ブログ #数の話

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