男は静かに去る

仕事で履いていた靴、随分ボロボロになった。ほぼ毎日履いていたもんなぁ・・・

本日が最後の仕事でした、いつも通りの仕事でいつも通り過ごしていました。朝は大分落ち着いていて仕事に行く前に煙草を燻らせていろいろ考えていました、ああ今日で仕事が終わるんだなぁと。前日は全然意識していなかったけど朝になってからいろいろ意識し始めるような感じで何て言うかちょっと寂しい気持ちだった。俺にとって今まで働いてきた事は何だったんだろうなって、自分で辞めると決意して今日辞める事になったけど俺って一体何の為に仕事していたんだろうって。仕事に行って朝の朝礼で仕事を辞めますありがとうございましたって言って普通に仕事してあっという間に夕方になって仕事が終わる、使っていたタイムカードを返却しいつも使っていたカッターとボールペンも返却して退職届にハンコを押す。これでおしまい、普通に帰宅を始める。コーヒーが飲みたくなって行きつけの喫茶店に行ってママと少し話ながらコーヒーを飲んでました「今日で仕事終わりなんですよ」「あらー」ってもう職場で顔を合わす事はない、ゆっとりとコーヒー楽しんで帰りました。

「また寄りますよ」「またね」「うん」「また」

警備員のおっちゃんにもお礼を言った、握手した。おっちゃんが以前から寂しくなると言っていましたけど俺も寂しい、職場ではなかなか話す事はなかったけどおっちゃんとはよく話していた。おっちゃんが上司だったら良かったのにな、お礼をした後外に出た。バスに乗って外を眺めていると何か知らないけど泣きそうになった、あれほど感動の場面があったと言うのにここで何かが来た。けど堪えて堪えて俺は外を見ていた、仕事をしていた理由とは何か？俺はいつもボケて綾波レイのフィギュアの為と言っているけどそうじゃない、もっと大切な物が。人生のいい経験、為になる、働くという事を知った、この際何でも良い。ただ一つ思える事は仕事をしてて良かったって事です、最後に店を出るときにそう感じました。そしてその後はまた別の所で仕事をする、うん、これでいい。そう思えば平気だった、泣かんでもいい。俺は良く泣きます、アホみたいに泣く。感情が激しいので泣く、でも最近は泣かない。でも今日はちょっと駄目だ、少し泣く。いや、でも楽しかったです。家に帰る足取りは軽く俺は仕事を辞めた、明日からまた変わりますがまぁこれはこれでアリだな。と言う事で終わりです、何も言わんよ。ただ職場にいた一人の男が居なくなっただけ

寂しいですが自分で決めた事なのでこれでいいのだ、明日からやる事いろいろあるからとりあえず目の前のやる事をやりますよ。しっかしあんなに辞めたい辞めたい言ってましたけどいざとなると名残惜しいもんだよなぁ

「あー終わった終わった、早いもんだよなぁ」