あの子たちが持ってくるのは、一枚のタオルだけです。
シェルターでパニックになっている犬を自宅に緊急避難させるボランティアをやっていますが、ワンコらは避妊・去勢手術後にくるんでもらった1枚のタオルと数枚の書類、抗生物質の薬だけを持って我が家にやってきます。
3歳の子、5歳の子、時に15歳の子も。
「あなたはどこから来たの?」――悲しそうな両目で、かつては幸せな家族を見つめていたはずです…。
でも、良かったんです。
ラスベガスという小さな街で、逃げた犬を探している人が連絡する先はただ一つ。公共シェルター、ラスベガス・アニマル・ファンデーションだけです。そこに連絡がなかったのなら、推して知るべしです。もちろん、「自分に子供が生まれたから」「アレルギーになった」など、さまざまな理由でシェルターに持ち込まれるケースも多いですが、それで良かったんです。ずっとそこにいるよりも、良かったんです。
最近、ペットシッターのアルバイトを始めたのですが、最初のワンコがお菓子やおもちゃのたくさん詰まった大きなバッグ4つと共にやって来ました。「愛されてて、良かった」。
そしてタオル一つでやって来るシェルターっ子のことを思いました。
「私がいっぱいあげる」。おもちゃも、おやつも、思い出も、いっぱい、いっぱいあげようと思うのです。