一昨日、若い頃に東急百貨店本店のバレンタインチョコ売り場でアルバイトをしていたと書きましたが、やはりバレンタインだけあって、バイトの女の子らはこぞって上司にあたる男性社員さん(1人)に義理チョコを買って渡していました。
私といえば…義理チョコ反対派。好きな人にならともかく、なんでそんなものを用意しなきゃいけないの?と白けた目で見ていました。だから男性社員さんに皆がチョコを渡す中、私だけは何もあげませんでした。
まあ、お金が本当になかったというのもありましたけどネ。何しろスーパーの特売チラシで豆腐1丁が36円だと知り、お腹いっぱい食べられる!と意気込んで出かけたら、56円のものしかなく、20円が出せずに泣きながら家に戻ったような貧乏ぶりでしたから…。
そんなに困窮していたのに、何も知らない母が田舎から「ポワール」とかいう高級梨9つ入りの箱を送ってくれたのを今、思い出しました。その週はそれだけが私の食糧だったのですが、一つ一つ宝物のように鎮座したポワールが私の状況と不釣り合い過ぎて苦笑したのを覚えています。
話を元に戻すと、その後、ホワイトデーがやって来ました。気まずかったのは上司の男性が皆にお返しを配り始めた時ですね…。一人一人手渡ししていって、私の方に近付いてきます。皆、きゃあきゃあ喜んでいますが、私だけはあげてないんですから、ばつが悪いったらない…。そしてついにその方が私の前に来た時―――「はい、これは日頃のお礼です、いつもありがとう」。なんと上司の男性は、私の分も買ってくれていたのでした涙
入っていたのはチョコとハンカチーー皆に配っていたのと全く同じものでした。そして、私に恥をかかせないように「日頃のお礼」と言ってくれたさりげない優しさ。
私もこんな優しい大人になりたいな…と思った瞬間でもあり、また、義理というのも捨てたもんじゃないなと気付いた瞬間でした。金額は安くてもいいから、普段言えないお礼を小さなギフトに込めて贈る…私はあれから義理ギフトを大切にしています。
投稿日 2023-02-04 10:00
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2023-02-04 11:36
ワオ!と言っているユーザー