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局所性ジストニアと、田中義人さんのお話

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今日は、局所性ジストニアを発症したギタリストの田中義人さんのお話。
長文になりますが、いい話なので、良かったら読んでください。

~はじめに~

局所性ジストニアでギターが弾けなくなり、仕事を失い絶望した
(当時の)田中さんの唯一の楽しみは、
「夜、カレーを作って、翌朝食べること」でした。

一見、なんてことのない話だけど、
当たり前の日常を失ったときは、自分にだけ明日が
来ないような気がするのです。
言い換えると、明日を迎える“理由”みたいなものが
ないと、生きられない。

だから田中さんは夜、自分の大好きなカレーを作り、
死なないように、
明日を生きる“準備”をしたんだと思う。

「朝起きたら、昨日がんばって作ったカレーがある」
それで、命を保っていた…自分にはそう感じました。

*************************

さて、ここからが、本題です(なんて長い前置き)

田中義人さんのお話を聞いた場所は、
「22世紀に残したい音楽」というテーマのトーク&ライブイベント
(渡邊智惠子さん主催・ジョー横溝さんMC)。

スガシカオさん、葉加瀬太郎さん、綾香さん、
竹中ピストルさん、宇多田ヒカルさん、SMAP…
たぶんほとんどの方が一度はどこか(CMなど)で、
彼のギターを聞いているはずです。

2015年頃から違和感があった田中さんの手。
「腱鞘炎かな?」と思っているうちに、
どんどん「できないこと」が増えていき、
病院で「局所性ジストニア」と診断されます。

悩みぬいた結果、2016年、脳の視床下部を焼く開頭手術。
ぎっしりつまっていたスケジュールももちろん、
全てキャンセル。「他の人」がギターを弾きました。

なんと、局部麻酔で、頭を開ける手術。
脳の神経をチェックするため、
手術中にギターを弾く必要があったそうです。

(医学的には)手術は無事成功。
しかし、術後の田中さんはギターを弾くどころか、
文字さえ書けなくなり、2度目の絶望の谷底へ
転落します。

「文字が正しく書けない」「メール1行に、5分かかる」
「ギターの、どの弦に触れているのかさえ、わからない」

30年間、自分の精神安定剤だった「ギター」が弾けない。
“自分は、終わった…”
病院から飛び降りて死ぬことを考えた田中さん。

収入の道も絶たれた。「他の人」が自分のポジションでギターを弾く、
「他の人」が良い仕事をし
〝紹介したこと〟を、感謝される…耐えがたい気持ち。

「居場所がなくなった」と感じた田中さんに、不眠や悪夢をはじめ、
発症したうつ病との闘いも加わります。

貯金を切り崩しながらの生活、カレー屋さんでアルバイトなどをした後、
田中さんは音楽の仕事はもう、諦めようと故郷・札幌に帰ります。
そんな彼のもとに、唯一続けていたギター教室の生徒が
「先生のカレーを食べにきたよ」と
“優しい理由”をひっさげ、尋ねてきます。

それが今回のイベントで田中さんをサポートしたギタリスト
「横山たくやさん(よこたくさん)」。
彼のギターも、本当に素晴らしかった。

「もう、ギターが弾けない、教えられない」という田中さんに、
「弾けなくていい、先生の話だけでも聞かせて」と通った生徒たち。
周りのさりげなくて温かい支えと、日々のリハビリの努力で田中さんは
少しずつ回復してゆきました。

田中さんは現在の様子を次のように語りました。

「(自分のギターは)まだ6~7割。
今も、真冬に寒さで手ががじかんでいるような状態が続いている。
それでも“義人のギターじゃないとダメ”と言ってくれる人たちや、
“今日は、思っていたよりもいい演奏ができたな、と自分に言い聞かせる”
これの積み重ねが、力になっている」

「ジストニアを発症した当初は
“なんで自分がこんな目に”と、負の感情しかなかった。
でも、できないときに“工夫すること”を学ぶきっかけをもらった。
今では、音楽ができる喜びを再認識させれくれた“ギフト”だと思える」

トークの合間には、素晴らしいギターの音色を聴かせてくれた田中さん。
一音一音を愛おしそうに弾き、どれだけギターを愛しているかが
伝わってきました。

田中さんにひとこと何か伝えられるとしたら…
「生きていてくれて、本当にありがとうございます!」

こんなこと言ったら、びっくりされちゃいますね。
大げさでなく、本当にそう思う。

MCを務められたジョー横溝さんの
「22世紀に残したい音楽…という言葉を聞いたら
絶対に、田中義人のギターだと思った」

とてもとても、納得出来ました。

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