ご利用者様の人生を文字にして記録にのこす『聞き書き』
5月
29日
私は『驚きの介護民族学』という本を以前に読んで、高齢者施設のご利用者様の生活体験を文字に残すことが、話をするご利用者様にとって昔を思い出して脳が活性化する良いきっかけとなる一方、スタッフにとってもご利用者様のことを深く知る機会となり、歴史資料としても貴重なものになると学び、いつか実施したいと思っていました。
今回、高橋喜宣さんから『聞き書き』という活動をはじめたので高齢者を紹介してほしいと依頼をうけ、『驚きの介護民族学』に書いてあったことと共通するものがあり、良い活動だと思ったため、まずはデイサービス長寿の家を利用している、私の祖母(鴨下キク)を紹介して『聞き書き』を実践していただきました。
高橋喜宣さんはデイサービスを、うちの祖母から話を聞くために3回訪れ、1回60分ぐらいかけてお話をじっくりと聴いていました。最初は思い出せなかったことも、話を重ねるうちに思い出すことができていました。
そして、聴いたお話をまとめて1冊の本が出来たということで、5月26日に本の贈呈に来てくださりました。
本にまとめた1人の戦前の庶民の生き方の記録を、他のご利用者様のまえで、ゆっくりと丁寧な口調で読み上げていました。
うちの祖母も、自分が苦労しながら、がんばっていた時代のお話をみんなに聴いてもらい、とても嬉しそうでした。
著名人の歴史は、しっかりと記録されていますが、名もなき庶民の暮らしは、忘れられていき、歴史に残りません。しかし、庶民の暮らしもまた歴史の大事な一側面であり、それを語り継いでいく活動は大事だと思いました。
デイサービス長寿の家では、高橋喜宣さんのご協力を得て、ひきつづき希望するご利用者様の人生を本にして記録する活動にとりくんでいきます。
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『驚きの介護民族学』
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「事実を聞く」という行為がなぜ人を力づけるのか。聞き書きの圧倒的な可能性を活写し、高齢者ケアを革新する話題の書。
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『語り 鴨下キクさん 海軍大佐家族との想い出 ~私の女中時代~』
著者:高橋喜宣 聞き書き
(テキストデータ 全文)
http://www.kibounotubasa.net/pdf/kamoshitakiku.pdf
(写真)
http://www.kibounotubasa.net/pdf/kamoshitakiku2.pdf
投稿日 2017-05-29 13:28
ワオ!と言っているユーザー