「てにをはしかくの」の美しさ
3月
19日
実家へ帰り母の本を漁る。あれれ、こんなもんを読むんだ。出てきた本は中原中也の全集。私も全集は持っているが、これはかなり古いな。編者に中村 稔さんの記載あり。先日、現代詩賞を……。確か九十歳だったような。ん〜、歴史感じるな。初版が私の生まれた年だ。紙が黄ばんでいるのか、インクが薄くなっているのか、少し読みにくいが斜め読みをする。
やはり、中原中也はわかっているんだなあ。『3 評論・小説』の巻であるが文の語尾はダブりが少ない。「てにをはのしかく」のダブりもほとんどなくセンスの良さが窺われる。伝える内容だけでなく、文の構成が美しさを醸し出し読み易くすることを知っている。
最近、芥川賞の本を読んでみても表現の美しさもなく、文の美しさもないものがけっこうある。まあ、底辺の私の言うことだから読み流して下されば良い話だが。でも見えてしまうものは見えてしまうのだから、その様な本は最後まで読めないのである。
偏った私の意見。失礼っ。