なんだか最近は週末に同じことを繰り返してしまう。図書館に来ては、本を開かずに詩ばかりを書いてしまう。先週末は三十作ほど書いていて、小説も書かなくてはいけないのに何をしているんだ。詩(死神)に呪われているのか、ただ単に詩を書くのが好きなだけか、タバコのように咥えていたいのか。いやいや、やり過ぎの気もしている。病気? まあ、世間は広い、私と同じような境遇の方はいて、これは正常なのだと落ち着かせている。 今、目の前には「現代詩集」と「明治詩人集」といった本がある。ちらりと開いてはみた。意外、明治の詩人とネット上で書かれている詩の雰囲気が類似しているのことに気づく。 サラリ系? っていうのだろうか、空間を静かめで自然一体というような感じだろうか。あまりガツガツしていない。なんて、詩集もさほど読まぬ私のいうことは全く説得力はないが。 ひとつ面白い話しを思い出した。二十年前ぐらいだろうか。どこかの文学雑誌が「本について」の小説作品を募っていた。私もそのテーマに沿って小説を書き、応募したことを思い出す。主催側としては、本の素晴らしさを表現している作品に期待していたと思う。そして、私もそれに沿って書いたのだが……。 私は図書館に来るとまず本を取り開き、匂いを嗅ぐ。そこには紙の自然的な匂いや時代、インクの匂いがする。良い匂いのする本があったりする。その本の匂いを力説した小説を書いて送ったのだが、もちろん落選。後から天然の私は気が付いた。出版社の趣旨と違っていたことに……。 いや〜、また図書館で脱線している。でも私の隣に座るご婦人(七十歳過ぎかな)は、すでに外を眺めるだけで二時間半。こりゃ、私の上手をいっている。 そして、私も外を眺める。