純情 (カーネル笠井)
7月
4日
英語の歌詞だと、さらにこの聞き違いが多くなります。中学生のころに流行していた歌の歌詞に、「〜二人の仲はyou and me♪」というのがありました。この“you and me”の部分が“ゆう、え〜み”と聞こえ、学校中のゆう君とえみ子さんはみんなに冷やかされ、そんなことで本人達は真剣におこっていたのです。みんな本当に純情だったのだと思います。
このころからはビートルズの英語の曲も人気になり始め、いろいろな聞きちがいがおこりました。私の知り合いに自分の娘さんの名前に「由乃」と名付けた人がいます。この“ゆの”はビートルズの「you know my name」からきているそうです。この時代のビートルズの曲には、青春時代の純情な思い出がぎっしりとつまっている人が本当にたくさんいます。何年か後で発表された「オブラデ、オブラダ」では、“in a couple of years they have built♪”の部分が“えみ子 is blue”と聞こえ話題になりました。えみ子さんにはご難続きですが、このときのえみ子さんはどう感じていたのでしょうか。
以前家庭教師をしていた6年生の男の子に、小学4年生まではイギリスで暮らしていた子がいました。その子の受験直前の12月になってからの一番の悩みは、「好きな女の子がいるのに、そのことを相手に打ち明けるチャンスがなかなかなくてこまっている。」というものでした。「早く打ち明けて、できたら自分の受験を応援して欲しい。」そうです。そして、どんなタイミングで打ち明けたら良いのか私にまで真剣に相談するのでした。イギリスでは女の子を好きになったら、そのことを相手に打ち明けることが男らしさの表れで、これがなかなかできない自分に受験のこと以上に悩んでいるのでした。同じ純情でも、国によってずいぶんとちがうものですね。
カーネル笠井