白髪も皺も、年月を重ねて得た「勲章」。その穏やかな微笑みには、「老いを楽しむ」ことの本当の意味が込められている。
5月
4日

日常を丁寧に重ねることが、やがて人生の風格となってにじみ出るのだろう。
杖をついたその姿は、今を大切に生きようとする未来の自分への手紙のように見えた。

帽子を選ぶ手、マフラーを巻く手、杖を握る手。
そのどれもが美しかった。
震える指先にも、迷いはなく、むしろ確かな誇りが宿っていた。
人生を大切にしてきた人の手。
使い込まれたそれは、まさに生きてきた証そのものだった。