「さよならのあとで」・・・・・「死はなんでもないものです。 私はただとなりの部屋にそっと移っただけ」ヘンリー・スコット・ホランド 詩
![「死はなんでもないものです。私...](/userdata/2096/2094/202404200757591.jpg)
美しい本です。
英国の国教会の牧師で神学者が死について書いた一片の詩に、挿画を飾った美しい本です。
詩は1ページにほぼ1行。
場合によって、挿画だけのページが続くところもあります。
「死はなんでもないないものです。Death is nothing at all.」
「私は今でも私のまま、あなたは今でもあなたのまま。I am I and you are you」
「私のことをこれまでどおり親しい名前で呼んでください。Call me by old familiar name.」
「私の名前がこれまでどおりありふれた言葉として呼ばれますように。Let my name
be ever the household word that it always was.」
名前で呼ぶ。いいですね。
死後の世界や存在を否定するのではなく、死後も私たちは変わらず自分であり、他者も変わらずそのままであると言っています。
そして、死者の名前を親しい呼び名で呼び続け、その名前を永遠に家庭内で使われるように望んでいます。
この文章は、死を受け入れつつも、死者とのつながりを大切にし、その存在を永遠に記憶に留めることの重要性を表現しています。
百年前のこの一編の詩に、絵本作家の高橋和枝さんが2年の時間を費やして、18枚のイラストをそえました。
人はだれでも死別を経験します。それは人生を生きていくうえで、一番辛い出来事です。
しかし、その人がどれだけ自分のことを愛してくれたのかということに思いを馳せたとき、私たちはゆっくりと立ち上がれるのだと思います。
死別の悲しみを癒やす、特別な一冊。
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