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投稿日 2019-11-26 11:36
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
中野ブロードウェーという脳天気なアーケード街を歩いてゆくところんとした小振りの玉ネギが後をついてきた振り返るとむこうもはっとして立ちどまったいや、玉ネギは歩いても立っているのでもなかったがじっとみつめると前球面に影をつくったまた歩きだすと玉ネギはぱっと光ってついてくるようだったなんだかいもうとに似て...
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投稿日 2019-11-26 11:27
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
消防署が近いので、すみません家の犬がうるさくてと向かいの奥さんに声かけられた。いえいえそんな、アパートに住む奥さんは答えた。火事ですか救急ですか。近づいてくると高くなる狼の音域。人は逃げ、犬は目覚めよ。おおおんと真似ると夫が笑うので、さらにオクターブをあげ玄関をでて犬と合唱する。違法駐輪自転車の一時...
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投稿日 2019-11-26 11:16
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
鳥さんがみたい 隣の空き地に 鳥さんが来るから買ってコドモ化するとパパ化してくれる夫がペンタックス8×21の双眼鏡を私の首にぶらさげてくれたその朝。首にペンタックスをかけたまま朝食をとり茶碗を洗い米を研ぎダイニングキッチンで仁王立ちすると、夫はすたすたと奥から現れフラッシュを焚いてくれた。後は任せ...
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投稿日 2019-11-26 11:02
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
首がもどるところでしたか逆様ですよ願掛け地蔵さま一緒にどうです夜のお散歩は逆様で首ふる地蔵を背にする白鷺二丁目ふいに地蔵のもと石がいう(ものいわぬこどものゆかわたな) 止めてください 男が残した鞄が危険です バスの運転手はハンドルを切る また山中だ いちめん茶色の地肌 窓の下は崖 道路が見...
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投稿日 2019-11-26 10:47
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
あなた巻いてください奥さんはまっ裸でむしろの上に横たわりごろりごろり鉄火巻きの要領で巻かれるどうぞ足をかけられ粗縄できつく縛りあげられ荒巻鮭の質感がする奥さんは抱き起こされるL字型の金具を奥さんは脇腹に刺してもらい買い物バックをすくってひっかけたあなた買い物に行ってきますぺこり自転車には乗れないので...
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投稿日 2019-11-26 10:18
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キューちゃん
よいしょこらしょほっほっほっときてピィィィィィィィィィィ人には熊もあいたくないのときた七曲りつとひらいた扇には群来なつかしのォ 銀の海ときたもんだピィィィィィィィィィィィィィィィィなんで吹くのか忘れるほどに心地よさが浸るころがさがさっとしげみが揺れる喉ひっとしてかたまるとゆるい女の歌声がするという駆...
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投稿日 2019-11-25 20:02
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
ながいながい吹雪がやんで屋根裏部屋でほっと女は目が覚めたなんてまぶしまっしろい雪なああったけぇような気がするなばさばさっと音がしたかと思うと鷹がいたじっと目があったと思ったらぶいと飛んでったまた舞い戻ってきて何をくわえているかと見てみれば凍ったヤンマをことって置いた(食べれってか)虫は食べられないと...
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投稿日 2019-11-24 19:49
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キューちゃん
ポケットに生きてる古綿の重みの雛がいた夢のお告げは波打ち際で(海の女神に 傷ついた 雛を帰しない)との声だったほうそれを知ったら惜しくなった白い乳母車に雛をのせ夜の岬に散歩にでかけるどれも淡い色の奥あ似てる かな昔話の女に似てるかなけれど部屋に籠もりすぎても凶海に女神いるって話おまえ覚えてますか日除...
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投稿日 2019-11-24 16:58
現代詩の小箱 北野丘ワールド
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キューちゃん
昔皆がおっぱい飲んでいた頃水道がコチンと凍り手にも足にも霜焼けができ いたくてかゆい島があった無縁 歴史とは関わらぬ時が 桜を五月に咲かしていた怒ォーン ォオーンほったらかしにされたままのある村の岬のどて腹を貫く隧道を魔神は歩いていたどこだ どこにいる 娘 娘の泣く声がするオレは墓を守る衛士汝ゆけと...
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投稿日 2019-11-24 16:33
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キューちゃん
ぱかんと欠けた磯の窪みでゴダンペ トゲオッコ 干からびました鳴く生き物はみあたりません太陽はきょうも昼の憩い正午デス コチラハ海洋 海洋気象台 マッカナジョウリコ マッカナジョウリコ タダイマ 蚊柱 鍋釣 ユラリコシツツ 礼文トイウノハ沖ノコト 中点ふかく 太陽は真昼奇岩のひだ海の底まで岩ば...