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細菌やウイルスに感染した場合、感染を防ぐために、炎症反応が起こります。実は、感染そのものによる流産はそれほど多くありません。そうではなく、感染により炎症反応が起こりますが、炎症反応の中の免疫細胞が「過剰に反応」して、炎症性サイトカインを大量に放出することが、流産、着床障害を引き起こしているのです。炎...
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細菌やウイルスが体に侵入する(感染)と、免疫細胞が炎症性サイトカインという異物攻撃物質を放出します。(胚細胞、胎児由来細胞は半分異物)最近、慢性子宮内膜炎の検査として、細菌の遺伝子を調べる高額な検査がありますが、抗生物質治療しても、炎症性サイトカインが問題ですから、炎症性サイトカインを検査して、それ...
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最近、慢性子宮内膜炎の検査として、スペイン企業によるEMMA,ALICEという遺伝子検査が行われています。善玉菌の乳酸菌等と、病原菌の割合が遺伝子レベルでわかるのです。細菌叢の子宮内膜の環境がわかるので、有益と考えられますが、病原菌の感染による着床障害、不育症の根本の原因は、主に同種免疫異常です。感...
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最近、慢性子宮内膜炎が一つの話題になっています。そのきっかけの一つが、ブログNo.541で紹介した論文です。子宮内膜液の遺伝子検査で、無症状の人の子宮内膜にも細菌が存在しているという内容には驚きました。膣内に細菌がいることは教科書レベルではっきりしています。そのほとんどが病原性のない常在菌です。40...
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子宮内膜液の遺伝子検査により、子宮内にも細菌叢があり、その多くが乳酸菌のラクトバチルスであったとのことです。ヒトの体にはヒトの細胞と同じくらいの細菌が住んでいるらしく、ほとんどが善玉菌(乳酸菌)です。35人の不妊症患者さんの検査で、子宮内膜液中のラクトバチルス細菌叢が90%以下の場合、胚移植の成功率...
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「無菌性炎症」 って聞いたことありますか?普通は、ウイルスや細菌などの感染によって炎症が起こるのですが、外部からの感染ではなく、たとえば、子宮内膜の機械的な傷に対して、アレルギー的に炎症が起こった場合のことを言います。その 「無菌性炎症」 が流産を引き起こすということが報告されていますので、要注意で...
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不妊症の大きな原因に卵管閉鎖があります。クラミジアなどのよる炎症が原因で、卵管が詰まってしまうのです。卵管は卵巣から排卵する卵子と、膣・子宮腔から来る精子と出会う場所です。そこが完全に詰まれば受精できません。その場合、体外受精した受精卵を子宮に移植することになるのですが、何回移植しても妊娠しない着床...