日米エンジェル投資比較
全米エンジェル投資分布図
前回のエントリーでは、エンジェル投資がスタートアップ企業の活性化に繋がると書かせていただきました。今回はアメリカでの投資規模について書かせて頂きたいと思います。
Center of Venture Researchが発表しているここ数年の統計によると、毎年およそ240億ドル規模のエンジェル投資がされています。これは、毎年Panasonic社を買収出来る程の資金がエンジェルとしてスタートアップ企業に流れている事になります。この金額はベンチャーキャピタルと比較しても遜色ありません。表に表記されている2012年度のデータによるとエンジェルとベンチャーキャピタルの規模にそれほど違いはありません。ちなみに日本でのエンジェル投資額・投資件数・投資家数共にアメリカのと比べると圧倒的に少ないです。
*経済産業省に掲載されている野村総合研究所によるエンジェル投資家等を中心としたベンチャーエコシステムについての最終報告書より抜粋
地域別で規模を見てみるとカリフォルニア州での規模が突出して一番大きいです。これはシリコンバレーの存在による所が大きいです。その他には世界の金融が集まるニューヨーク、そしてビジネスに優しい環境があると知られているテキサス州が二位、三位と続いています。
業種別で見るとソフトウェアが一番投資規模が大きいですが、最近のトレンドとしてヘルスケア関連会社への投資が人気を集めています。
この様にアメリカでは様々な地域、様々な業種で規模の大きいエンジェル投資が行われています。起業家目線から見てみるとこれは大変助かる事で、事業拡大に向けた資金を比較的低リスクで集める事が出来る上に投資家の経験や知識、そしてネットワークにアクセス出来るからです。低リスクで新しい事にチャレンジし成功の手助けをする環境の構築。アメリカが世界経済をリードしている理由がここにあるのかもしれません。
by Takaichi Aoki
#2 Issue
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